ほこたて「最強のハッカーVS最強セキュリティプログラム」対決が驚くべき内容だった

2013年 6月 09日

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久しぶりにあいた口が塞がらない。
ほこたて「最強のハッカーVS最強セキュリティプログラム」対決が予想以上に驚くべき内容だった。

楽天所属、最強のハッカー(しかも3人)がネットエージェントの誇る最強セキュリティを破るという内容のTV番組。実に「ほこVSたて」らしいテーマ選び。ITmediaの予告記事にははてブも200以上付き、かなりの衆目を集めているようだった。


普通は最強ハッカー軍団の勝利である

追う側VS追われる側

Great hacker 「ハッカーとセキュリティはいたちごっこ」だなんて言い方をされるが、この場合セキュリティが追う側、ハッカーが追われる側である。追われる側のほうが強い(ような気がする)。 「最強ハッカー」と名の付く人ならなおさらであろう。最強ハッカーが3人も揃えば破れないセキュリティなどない。

タイトルからも一目瞭然だった

ここで番組のタイトルを見てみよう。

ほこたて「最強のハッカーVS最強セキュリティプログラム」

このように、「最強のハッカー」が前に位置している。こういう場合、大抵は前に来た人が勝つ、みたいなルールが日本の一部に伝統芸として存在するのである。このルールは厳然としたシキタリたるもので、なかなか破られるものではない。

たとえば「ゴジラVSモスラ(1992)」ではゴジラが勝ったが「モスラ対ゴジラ(1964)」ではモスラが勝った。放射能から生まれた怪獣王なのに、ゴジラは芋虫とか蛾みたいなよくわからん巨大生物に負けた。

Mosura vs Godzilla

キングコング対ゴジラ」でもキングコングが勝った(実際には引き分けなのだがキングコングの判定勝ちみたいな感じだった)。ぼくはガメラシリーズや他の映画はほとんど見ていないゴジラ厨なのでほかの映画のことはよく分からないが、ゴジラ厨の間では「前に来たほうが勝つ」ルールがシブトク根づいているのである。

ということで最強のハッカーが勝つのだろうと鼻くそほじりながら胡坐をかいて番組を見ていた。

「音楽のデータは全部パソコンに保存してあるンすよォ、ぜったいに最強セキュリティ勝ってほしいッス!」と鼻息立てコーフン気味にコメントを語っていたヒャダインさんの姿がまぶしいぜ。

3台のパソコン、3枚の写真、3人のハッカー

対決のルールはこうだ。

まず、写真(オリジナルの大きさ)を3枚に分割する。それぞれに芸能人が移っていて、「takahiro.jpg」「yuko.jpg」などの名前を付ける。3枚の写真は別々のパソコンに保存される。3台のパソコンには個別に最強セキュリティが施されていて最強ハッカー軍団を待ち受けるのである。番組の演出上、施された最強セキュリティがどういうものかには番組一切触れられていない(これが後々伏線となる)。

制限時間は15時間

15時間で3台すべてをハッキングし、3枚の写真を見つければ最強ハッカー軍団の勝利。15時間経ってもハッキング不可能であれば最強セキュリティの勝利となる。

15時間もあればまあ余裕でしょう。

1台目は30分で侵入される

Hacking pc

対決がスタート。 1台目のパソコンには「takahiro.jpg」が保存されている。スタートして30分、ナレーターの実況が温まりきれないうちに、1台目のパソコンが侵入されてしまう最強ハッカー軍団はハイタッチ

だが何やら様子がおかしい。最強ハッカー軍団の顔に焦りの色が見える。探している「takahiro.jpg」と同名のファイルが、パソコンの中になんと5万枚も保存されていたのである。頭を抱える最強ハッカー軍団。それを見てほくそ笑む最強セキュリティの社員。

 

このあたりで最初の違和感を感じた。

5万枚の「takahiro.jpg」は最強セキュリティ・ネットエージェント社員がネットからせっせと汗水垂らして拾ってきたものらしい。リネーム・個別フォルダに保存などご苦労さまです。だが、普通はそんなセキュリティ対策はしない。いくら超重要な機密ファイルを守るためとは言え、ネットから画像を5万枚もダウンロードした上、機密ファイルと同じ名前にリネームしてしまっておくとかやらない。狂気の沙汰である。
そんなものはセキュリティと呼べるのか?最強セキュリティと呼べるのか?ということなのである。

実際に最強セキュリティ軍団は「takahiro.jpg」を発見するまで、侵入から6時間30分もかかっている。侵入30分、目的のファイルを探すのに6時間半。なにこれ

 

2台目の途中でギブアップ

解決の糸口をなんとか見つけた最強ハッカー軍団は、1台目のパソコンを7時間で突破、目的のファイルを見つけた最強セキュリティチームは、2台目のパソコンにとりかかる。この中には「yuko.jpg」が保存されている。残り時間は8時間。いそげいそげ(この時ぼくは最強ハッカー軍団のほうが正義のような雰囲気で見ていた)。

このパソコンにもなんなく侵入。本当「えっ?」というヒマもなく2台目にもあっさり侵入されてしまう

問題はここから。
「yuko.jpg」は 別のファイル名にリネームされている。え?リネーム?? ……このあたりで再び雲行きが怪しくなってくる

Yuko nothing

侵入後、リネームされたファイルを探してみるものの、ファイルが見つからない。苦心の末「どうやらリネームしたらしい」という事実は突き止めたが、肝心のリネーム後ファイルが見つからない。

と、ここで最強ハッカー軍団が突然のギブアップ!どうした最強!
どうやら、リネームした先のファイルを見つけることが残り時間的の中では厳しい、という判断らしかった。そういうものなのか。

雄叫びを上げ、バンザイを繰り返す最強セキュリティ社員。
いや、ちょっと待って!お前らは喜ぶのちょっと待て!そんな勝利でいいのか?ウーム、これはウームと低くうなってしまった。

ぼくはセキュリティはおろか、ITのことなど全然わかってない素人だが、それでいいのか?と心配してしまった。
侵入されたのにリネームしてたからOKでした!っていうのは、セキュリティと呼べるのだろうか? いくら超重要な機密ファイルを守るためとは言え、「ハッカーに侵入されるであろうタイミングで、都合よくリネームすること」 がセキュリティだとは到底思えない。
繰り返そう。それってセキュリティって言えるの?ということなのである。

 

番組を見て得られたセキュリティノウハウ

この番組を見て、以下のような知見が得られた。

1.ハッカーが侵入してくるタイミングで、超重要機密ファイルと同じ名前のファイルを数万枚用意する(サイズなどは同じものが望ましい)

2.ハッカーが侵入してくるタイミングで、超重要機密ファイルをリネームする

とてもためになる。

 

まとめ:ほこたては番狂わせ番組らしい

ほこたては深夜帯の第1回放送から見ているが、お気に入りは「最強スプーンVSユリゲラー」の回。この時にもあっさりと勝負がついていた(ちなみに最強スプーンが勝っている)。ほこたては、タイトルから勝敗予想ができるような単純番組ではないらしい。


ほこ×たて 最強スプーンvsユリ・ゲラー

深夜番組からゴールデンに進出しネタ切れ感のある「ほこたて」。起死回生のテーマが「最強のハッカーVS最強セキュリティプログラム」かと思っていたのだがこの番組、いやはやマッタクあなどれない。「指原1位」以上のハラハラをぼくらに与えてくれるではないか。
ゴジラ見るよりおもしろいや。

追記

リネームと書きましたが、どうやら真相はこうらしい。

リネームじゃなかった!(番組内で「名前を変えた!」と言ってたため誤解してしまった)ちゃんと暗号化していた!

コスモスが勝手にやりました

そんで社長から追加で暴露されたのがコレ。

で、侵入できなくなった最強ハッカー軍団は、ディレクターにやり方を聞いた(ソーシャルエンジニアリング)らしい。モスラのくせになんという姑息な手段!コスモス(小美人)が勝手にやりました、ということでここはひとつ。

OSはミニラ(13年前のOS)でした

さらに出てきたのがコレ。

あっさり侵入できたのはある程度、最強セキュリティの思惑通りだったとのこと。え、じゃあ僕たちが今までゴジラ(最強セキュリティ)だと思っていたものはゴジラじゃなかったんや、ミニラだったんや!

ミニラ(よく似ていると言われる)↓

Minira

ミニラだったら30分もかからず倒せよモスラは。

追記のまとめ

モスラ(1964)かモスラ(1992)を当てる番組かと思ったら藪から蛇が出たでござる。番組制作側の足らぬ理解と思慮が見えたでござる。


2013年 6月 09日 by ニタサカアツシ
Categories: インターネット

 

 

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