シン・ゴジラ考察。庵野秀明が監督した意味と尻尾にくっつく「インフィニティ」について—ゴジラはシン・エヴァンゲリオン劇場版:||への系譜か?

2016年 8月 02日


2012年にヱヴァ:Qが公開されて以来、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||、をぼくも心待ちにしている一人なのだけれど、今日はシン・ゴジラを見てきた。圧巻だった。

さらっと感想を言うと、政治の世界とかのリアリティがすごくて震えた。

すこし昔話をする。

ゴジラ Final Warsのモヤモヤを12年抱え続けていた

ぼくがはじめてゴジラシリーズを見たのは幼稚園のころ、「’91ゴジラvsキングギドラ」なのだけれど、そこから「vsビオランテ」、「昭和ゴジラシリーズ」と立て続けに観た。

子供時代、いちばん好きな映画シリーズはアニメでもウルトラマンでもなく、間違いなく「ゴジラ」だった。だからこそ2004年の「ゴジラ FINAL WARS」には、

はー???

と思った。ドン・フライとか轟天号がゴジラの最後を締めくくっていいのか……とずっともやもやしていたあれから12年。

ぼくが観たいゴジラ映画はコレジャナイ!と思い続けていた、あれから12年。やってくれました。庵野監督。

庵野秀明完全復活おめでとう

庵野監督は「シン・ゴジラ」で完全復活したんじゃないかと思う。
知ってる人は知ってると思うけれど、庵野監督は長い間鬱病を患っていた(庵野監督の妻、安野モヨコによる『監督不行届』を読めばその様子は想像できると思う)

2012年12月。エヴァ:Qの公開後、僕は壊れました。
所謂、鬱状態となりました。
6年間、自分の魂を削って再びエヴァを作っていた事への、当然の報いでした。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』及びゴジラ新作映画に関する庵野秀明のコメント

シン・ゴジラのヱヴァ一色ぷりがすごかった

でもシンゴジラを見終わった後の感想としてはヱヴァ一色だったし、この映画で監督は完全復活したんじゃないかと思う。

昭和ゴジラの演出にも、ヤシマ作戦ならぬヤシオリ作戦もすごいと思ったし、ヱヴァQで多用された広角め画角の人物アップもぜんぶよかった。

庵野秀明監督の今後が気になる

庵野監督が宮崎駿の弟子方向?アニメ方面?に行くのか、「巨神兵東京に現る」的な特撮方向に行くのか気になるのだけれど、それはそうとして今日はもっと気になることがある。

ここからネタバレをする

それはラストシーンである。

ラストシーン、ゴジラの尻尾にいるのはインフィニティなのではないか

ヱヴァQにも出てきた「インフィニティのなりそこない」みたいなやつ

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ゴジラの尻尾には「インフィニティのなりそこない」みたいなものがたくさんくっついてた。

インフィニティは完全な生命体

カヲルくんは、「生命の実を与えられた新たな生命体を作り出すための儀式」というような説明をシンジくんにしているけれど、この課程で生まれるのがインフィニティ。生命の実を持った使徒や人類とも違う、新たな生命体のことを指すものと思われる。

シン・ゴジラ劇中の言葉を借りて言えば「完全な生命体」「世代を経ずに進化する生物」とかそういうことになるのだろう。

ヱヴァQではインフィニティの首は切られていた。

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シン・ゴジラのインフィニティは首が切れていなかった

だからこそ「インフィニティのなりそこない」だったんだけれども、ゴジラの尻尾にくっついていた——いや、この場合完全生命体ゴジラからあたらしい生命が生まれていた、とすべきだろう——インフィニティには首が存・在・し・て・い・た!

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いまの時点ではこれが何を意味するのか不明だけれど、ゴジラは映画の中で早々に4回(5回?)も進化していて、劇中では口がヘビのように割れて放射熱線を吐いていたり——というより特撮版巨神兵が吐くレーザー光線に近かったけれど、おそらくさらに複数回、進化を遂げていたものと思われる。

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これはFotoliaから買ってきたヘビ写真なのだけれど、アゴが二つに割れている。ヘビは自分よりも大きいネズミなどを飲み込むために(つまり捕食のために)アゴが割れるけれど、そもそも捕食行動をしないシンゴジラにアゴ割れは不要。そう考えるとやっぱり次の進化を見据えた形態変化なのではないか

血液凝固剤670kgの100%投与により、ゴジラは凍結化されるものの、よくよく考えてみると核分裂反応を止めるものは中性子を吸収する性質を持った制御棒、通称「鉛筆の芯」でしか不可能である。
凝固剤で止めたところでそんな簡単に動きが止まるんだろうか。

ゴジラもヒトもヱヴァもインフィニティも生命の可能性

もし仮に凍結後も機関が生きていて尻尾がインフィニティになっていたとしたら……そしてシン・エヴァンゲリオン劇場版:||へと続く系譜だったとしたら。……とてもワクワクする。

ゴジラもヒトもヱヴァも、雑な言い方をすると生命の多様性における進化の過程のひとつだと思う。
尻尾にくっついていたというより、ゴジラから新しい生命が誕生する画、それはシン・ヱヴァンゲリヲンへの前兆のように感じた

うーん、もう一回観に行こうか!

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2016年 8月 02日 by ニタサカアツシ
Categories: エッセイ

 

 

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